EU、米国製鉄業界の大型買収を承認:日本製鉄が米U.S. Steelを買収

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欧州連合(EU)は月曜日に、日本製鉄(日本製鉄株式会社)による米国のU.S. Steel(X.N)の149億ドル規模の買収案を承認し、競争に関する懸念を払拭しました。この買収は、米国内で政治的な反対があるものの、EUによる承認は形式的なものと見られていました。

EUの承認は予想通りであったが、この買収案は米国ではいくつかの議員から国家安全保障への懸念や、米U.S. Steelの労働組合からは雇用の喪失を心配する声が挙がっており、抵抗に直面しています。バイデン大統領はU.S. Steelが国内所有であるべきだと発言している一方で、共和党の大統領選の主要候補者であるドナルド・トランプ氏は、選出された場合にこの取引を阻止すると述べています。

日本製鉄は、U.S. Steelの本社を同社の拠点があるピッツバーグに移すことや、米国鉄鋼労働者組合との間に締結されている全ての協定を尊重すると約束することで、これらの懸念に対処しようとしています。

昨年12月、日本製鉄はクリーブランド・クリフス(CLF.N)、アルセロールミッタル(MT.LU)、ヌーコア(NUE.N)などの競合他社を抑えて、創業122年の象徴的な鉄鋼メーカーを買収する取引を成立させました。この買収により、世界第四位の鉄鋼メーカーである日本製鉄は、世界の粗鋼生産能力を1億トンに拡大する目標に近づくことになります。

また、先週U.S. Steelは、提案されている合併についてさらなる詳細情報を求める米司法省からの要求があったと発表しました。これにもかかわらず、U.S. Steelの株主の圧倒的多数が4月にこの取引に賛成票を投じました。

同社は、取引が今年の後半に完了することを見込んでおり、これは以前の予定である第2四半期から第3四半期に比べて変更されています。EU委員会は、提案された取引による「限定的な市場ポジション」を理由に、この日の取引を承認したと述べました。

これらの発表を受けて、U.S. Steelの株価は午前の取引で2%上昇しました。ただし、今年に入ってからの株価は四半分の価値を失っています。