「スキルを身に付けなければ」「もっと給料を上げたいけれど、どんなスキルが必要なのだろう？」と、仕事や収入に悩む人は多いでしょう。こうした悩みに対し、人気テレビ番組『逃走中』や『ヌメロン』を手掛けたプロデューサーである高瀬敦也氏が新たに出版した書籍『スキル』が注目されています。本書では、高瀬氏がこれまでの社会人生活で出会ってきた優れたビジネスパーソンの姿を通して、「稼ぐ力」の本質について語られています。高瀬氏は、単なるスキルだけでなく、その裏にある「稼ぐことへの強い意欲」が稼ぐ力の核であると指摘しています。
お金に対する日本人のメンタリティと稼ぐ意識の違い
日本の社会には、「お金に関する話をするのは品がない」「お金に執着することは避けるべき」という考え方が根強く存在しています。このような文化的な価値観は、お金を公然と欲しがることを控える原因の一つとなっています。高瀬氏もこのメンタリティに理解を示しつつ、日本人の奥ゆかしさや品性を重んじる気質は大切であり、尊重されるべきだと述べています。しかし同時に、「稼ぐ」という行為をもっとポジティブに受け入れる姿勢が、現代において必要ではないかとも考えています。
実際、高瀬氏によれば「お金について率直に話すこと」と「稼ぐ意欲を持つこと」はまったく別の話であり、後者は何ら恥じることではないと指摘します。お金を得たいという欲望や努力する姿勢を隠すのではなく、自分の価値を高めようとするポジティブな力として受け入れるべきです。これは、単に自己利益を追求するだけでなく、家族や社会に対する責任感の現れとも言えるでしょう。
成功者に共通する「稼ぐ力」の特性
高瀬氏が出会ってきた成功者たちに共通する特性の一つが、「稼ぐ力」に対する情熱です。彼らは収入を得るための行動を惜しまず、積極的に挑戦を続けています。彼らにとって稼ぐことは、単なるお金の追求ではなく、自己成長や価値創出の一環として捉えられているのです。この「貪欲さ」とも言える情熱が、ビジネスの場で結果を出し続ける原動力となっています。
特に、高瀬氏はこうした成功者の姿勢から学んだこととして、「稼ぐ力」は特別な才能や専門知識にのみ依存するものではないと語ります。たとえ突出したスキルがなくても、稼ぎたい意志を持ち、自分のやるべきことに全力を注ぐことで、その結果が自ずと「稼ぐ力」に繋がっていくと述べています。
稼ぐために必要な「目的意識」と「行動力」
高瀬氏は、稼ぐ力の本質には「明確な目的意識」と「行動力」が不可欠であると強調します。単にお金を得たいという意志だけではなく、「なぜ稼ぎたいのか」「どのような価値を生み出したいのか」を明確にすることが、より強い動機付けとなり、稼ぐ力を発揮するための土台となります。
例えば、高瀬氏は自身がプロデュースした番組『逃走中』においても、視聴者に「何かを追求することの楽しさ」を伝えたいという強い目的意識を持って取り組んだと語ります。このような強い目的意識があるからこそ、日々の努力や困難にも耐え抜き、最終的には視聴者に価値を提供できるのです。
また、稼ぐ力を持つ人々は行動に迷いがなく、自分にとって必要なことを自分から見つけ出し、率先して行動する姿勢が身についています。この行動力こそが、稼ぐための大きな要素であると強調します。
稼ぐことと社会的価値のバランス
高瀬氏は、稼ぐ力を持つことは自己利益だけでなく、社会的な価値を生み出すことに繋がると信じています。自分が得る報酬は、自身が提供する価値の一部であり、それが社会に役立つ形であれば、多くの人が共感し、さらに大きな成果に繋がると述べています。稼ぐことが自己満足で終わるのではなく、他者にとっても意味のあるものになることで、より一層「稼ぐ力」は強固なものとなり、長期的に持続できるのです。
お金を稼ぐための「心構え」を再考する
最終的に、高瀬氏は「稼ぐこと」に対する心構えを見直し、もっと前向きに捉えるべきだと主張しています。お金を得ることは生活のためだけでなく、自分の価値を証明し、社会に貢献するための手段です。この視点を持つことで、稼ぐことに対する抵抗感を減らし、むしろ挑戦として楽しむことができると説きます。
高瀬氏の考え方に触れることで、ただお金を得るためだけではなく、稼ぐ行為そのものが自分自身や社会のためにどのような価値を生み出すのかを再認識する機会になるかもしれません
