地球平面説が笑えない理由

世界

まず、地球が平面だと主張する人々は、この考えに真剣であることを理解しておく必要があります。21世紀の現代において、「地球は平面である」と言えば、多くの人から笑われることを覚悟の上で発言しています。実際、ほとんどのフラットアース論者もかつては地球が丸いと信じていました。しかし、ある時「真実に目覚めた」と感じ、地球が丸いという主張は世界規模の陰謀であると考えるようになったのです。その語り口は、まるで宗教的な啓示を受けたかのように聞こえます。

「地球は平面である」と宣言するやいなや、多くの疑問が湧いてきます。たとえば、具体的にどんな形状なのか(円盤のような形で、南極がその端を囲んでいるとされています)、また誰がこの「真実」を隠しているのか(政府やNASA、パイロットなどが関与していると考えられています)などがその代表例です。

私はフラットアース国際会議(FEIC)に二日間参加し、「科学的なフラットアース理論」や「NASAやその他の宇宙に関する嘘」といったセミナーに出席しました。

初日はただ彼らの話を黙って聞き、参加者としてのバッジを身に着け、メモを取り続けました。そして二日目、ついに発言し、自分の意見を述べる機会を得ました。

彼らとの対話を通じて、フラットアース理論がキリスト教原理主義や陰謀論と密接に結びついており、一部の人々にとってはそれが信仰のようなものであることが明らかになりました。

ほとんどのプレゼンテーションは、地球が丸いという考えの「虚偽性」を示すものか、地球が平面であることを証明する「科学的な証拠」を提示するものでした。しかし、それらの議論はあまりに都合の良いもので、反論の余地が多く残されていました。

私は、これらの主張にまともに反論しても無駄だと感じました。なぜなら、どんな証拠を示しても、彼らはそれを受け入れる気がないからです。彼らは、NASAの衛星写真は捏造だとか、回転する球体の上に水が留まるはずがないと主張します。

そこで私は違ったアプローチを試みました。証拠を巡る議論ではなく、彼らの論理の弱点を突く方法です。

陰謀論者たちは懐疑的であると自称していますが、実際には非常に信じやすい性質を持っています。彼らは自分が信じたい証拠については、どんなに曖昧であってもそれを事実とみなしますが、自分が信じたくない証拠については、どれほど確固たるものであっても否定します。科学的な態度とは、これとはまったく逆であり、新しい証拠が出れば、それを再評価するという姿勢が求められます。

この点が私にとっての強みとなりました。

彼らに「証拠を示してほしい」と言えば、彼らは喜んで提示するでしょう。しかし、私が逆に「これが私の証拠だ」と提示しても、それは却下されるだけです。そこで、私は彼らにこう問いかけました。「どんな証拠があれば、自分の考えが間違っていると認めますか?」と。この質問は彼らにとって予想外だったようです