精神科看護師の役割とは?特徴と注意点まとめ

現在、発達障がいの疑い、および確定診断済の人は年々増加傾向にあります。発達障がいをもつ子供の療育手帳を取得する場合には、精神科医師の診断が必要です。さらに、認知症高齢者の治療および療養施設としても精神科は大きな役割を担っており、それに伴い、精神科のニーズが高まりました。

同様に精神科の看護師の求人も増加しているので、転職先の候補に精神科を考える看護師も増えてきています。そこで、今回は精神科看護師の役割と特徴、注意点についてご紹介します。

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精神科について

ではまず、精神科というものが実際どんなところなのかを見ていきましょう。

精神科とは、その名の通り精神疾患を抱える患者さんが訪れるところです。

精神疾患に苦しむ患者さんは長期療養を必要とする場合がほとんどで、入院するパターンが非常に多く、平均在院日数は456日であることが分かっています。

引用:精神科病院の退院患者平均在院日数

精神科看護師の役割

精神科は長期の入院をしている患者が多くいます。また、ADLも自立しており一見健康な方と変わらない人も多いため、病棟は治療の場というより生活の場になっている場合も多いです。

このことから精神科看護師は、患者にかわって家族や後見人と連絡をとりあったり、世間話をしたり、季節の行事を楽しめるように工夫をしたりと、施設看護師か寮母のような役割を担うことが多くなります。

こういった日常のかかわりのなかで患者の状態を常に観察し、患者と信頼関係を築き、いつもと違うことがあればいち早く察知し、場合によっては主治医に連絡することが精神科看護師の仕事です。

精神科看護師の特徴

精神科の看護師と他の科の看護師を比べた場合、どのような特徴があるでしょうか。以下では3つの違いをご紹介します。

1.さまざまな勤務形態がある

精神科は、ビジネス街の中心にあるおしゃれなクリニックから、訪問看護、急性期病棟まで、さまざまな職場形態・働き方があります。

17時ぴったりに定時帰りが可能な職場、夜勤なしの職場、子育て中の看護師に理解のある職場も多いです。

医療技術を含め、スキルアップしたいなら急性期病棟、最新の心理療法を勉強したいなら新しいクリニック、こどもの学校行事や保育園の迎えがあるママナースは残業のないクリニックや慢性期病棟、といった具合に、家庭の事情や興味のある疾患、めざしたい看護師像にあわせて自分の職場を選べます。

2.男性看護師が多く活躍している

精神科の患者のなかには、妄想や幻覚、幻聴が強い方がいます。職員への暴力・暴言がある場合もあり、その際は患者を抑止する必要があります。

若い男性患者など、女性看護師では抑止できないこともあるため、精神科病棟、特に急性期では男性看護師も多く活躍しています。

最近はほとんどの診療科で男性看護師が働いていますが、ひとむかし前には男性看護師の就職先は精神科か整形外科、と言われていた様に、精神科病棟での男性看護師のニーズは時代がかわっても堅調です。

もちろん上司や同僚にも男性看護師が多いので、女性の上司や先輩に相談しにくいことも相談しやすいという利点もあるかもしれません。

3.管理する薬の量と種類が多い

精神疾患の患者さんのほとんどが投薬治療を受けています。精神科の看護師と一般診療科看護師との大きな違いのひとつが、管理する薬の量と種類が多く、管理が厳密なことでしょう。

向精神薬だけでもさまざまな種類があり、次々新しいジェネリックが出ます。どれが何の薬なのかひとつひとつ説明を求める患者さんも多いため、薬に関する膨大な量の知識が必要です。

また、妄想などから拒薬のある患者さんも多いですが、指示された薬は確実に内服してもらわなければならないので、場合によっては内服後に口内を確認することもあります。

誤薬は特に重大なインシデントなので、(もちろん他科でもそれは変わりませんが)うっかり薬が床に落ちてしまった場合などは、職員総出で探し回ることもあります。

精神科で働くメリット


では精神科で働くメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。以下では3つのメリットを紹介します。

1.残業がない

精神科では残業が少なく、落ち着いて仕事ができます。急患がなく、一般病棟のように激務ではないことがメリットとしてあげられます。

これは精神科が命に関わる急務がなく、精神を長期的に安定させていくことがメインの仕事になるからです。

また、残業がないため、他の病院では厳しい、家庭と看護師の仕事の両立を実現できるのも精神科看護師の特徴です。保育園に子どもを預けて定時で退社し、仕事帰りに保育園へ迎えに行くという人も多いようです。

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2.患者さんに寄り添って仕事ができる

一般病棟のような決まった医療補助だけではなく、患者さんとのコミュニケーションを大切にしながら看護ができる、というメリットがあります。

精神科の患者さんは長期療養の場合が多く、病の解決方法は人によってさまざまです。そのため、ひとりひとりと時間をかけて接することができます。

他の病院では、業務が多く、時間も限られているので、あまりひとりに対して時間がかけられないという場合がほとんどですが、精神科では、しっかり患者さんに寄り添って仕事ができます。

精神看護は奥が深いとよく言われており、誰かのために寄り添いながら病気を治療していきたいと考えている人に向いているでしょう。

3.精神科看護や心理学を専門的に学べる

目に見えない病と言われている精神病。この治療法を見つけるには、変化に敏感な観察力や行き届いた洞察力が必要です。

精神科で仕事をすることで、看護師として大切なスキルを伸ばしていくことができます。また患者さんの心理的な部分まで理解する必要があるので、心理学を学ぶ人も多いようです。

さらに心理学を実践して学ぶことで、看護師としてできる仕事の幅が広がったり仕事の視野が広くなったり精神科だけでなく、他の看護業務にも活かすことができます。

精神科看護師の注意点

精神科の看護師に特有の注意点は、主に次の2つです。以下ではその2つの注意点を紹介します。

1.看護師自身の精神的安定が不可欠

特徴の2でも述べた通り、精神科の患者は状態によっては職員への暴言や暴力がある方もいますし、悲観的な言動が目立つ患者も多いです。

ネガティブな言動を症状のひとつと捉えられず、同じようにネガティブになってしまいがちな人は、特に注意が必要です。

常々、看護師自身の精神的安定につとめ、患者の暴言やネガティブ言動にふりまわされないことが一般科以上に必要とされます。

2.患者への言葉がけには細心の注意が必要

精神科の患者は、精神科看護師の役割でも述べたように、見た目では病気や障がいがわかりにくいことに加え、病状が血液検査などのデータ・数値ではかりにくいことが多いです。

精神科看護師はそういった病状がデータで分かりにくいなか、患者のちょっとした表情や行動、言動の変化からちょっと調子がわるそう。いつもと様子が違う。などの異常を察知しなければいけません。

また、自殺企図のある患者も少なくないため、職員の言動が自殺の引き金になってしまうこともあります。

患者の体調や心の状態が良好な時はなんとも思われなかった声かけが、心身が不安定になった途端に命取りになる場合もあるため、精神科の看護師は患者の様子をよく観察し、言葉かけには細心の注意を払う必要があります。

最後に

精神科看護師は、一般診療科の看護師以上に知識量や精神力が求められることが多い職業です。特に精神科は、患者さんと看護師とのやり取りが病状回復を左右する仕事なので責任も大きいです。

しかし、その分そこから得られるやりがいや経験も大きいでしょう。また、精神科は残業が少ないということも働く上での大きなポイントです。

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