映画上映システムの世界的企業IMAXは、日本の大手映画会社・東宝との提携をさらに強化する。2024年における日本市場は、IMAXにとって世界で3番目に大きな興行収入を記録した重要拠点であり、東宝シネマズは国内における最大のパートナーである。
IMAXと東宝は、新たに国内6カ所に「IMAX with Laser」システムを導入する契約を締結したと4月上旬に発表した。東京にある東宝シネマズの2劇場への導入をはじめ、宇都宮市(日光エリア)、日進市(愛知県)、富山市、そして本巣市(岐阜県)と、全国の主要な都市や郊外地域に展開を進める計画だ。
東京、宇都宮、日進にある劇場は2024年末までのオープンを予定しており、富山と本巣の2劇場については2026年前半に開業する見込みとなっている。また、今回の契約には、すでに合意済みだった1カ所の劇場も含まれており、その施設も「IMAX with Laser」仕様へとアップグレードされる。
さらに、東京・日比谷にある東宝シネマズには、既存のプレミアムシアターを「IMAX with Laser」に置き換えるかたちで、同一施設内に2つ目のIMAXシステムを導入する計画がある。これは北米以外の地域では初の事例であり、業界でも注目を集めている。
東宝シネマズは、日本国内におけるIMAX最大の上映パートナーであり、日本が世界第3位の映画興行市場であることを背景に、その連携は年々強化されてきた。2026年末までに、東宝が展開するIMAXシアターは計16館に達する予定だ。昨年、国内のIMAX劇場で興行収入が最も高かった4施設のうち、3館は東宝によって運営されていた。
IMAXのCEO、リッチ・ゲルフォンド氏は次のように語っている。「東宝グループは、世界的な映画製作・上映企業であり、日本最大の映画スタジオと一流の劇場網を持つ存在です。今回の契約は、我々のネットワークと興行収入の両面での成長を加速させるものです。今年は、日本国内で過去最多となるIMAXシステム導入契約を目指しています。東宝シネマズのような戦略的パートナーの存在は、IMAXにとって極めて重要な意味を持ちます。」
また、両社が今後の展望に自信を持つ理由の一つに、2025年の話題作の公開がある。IMAX史上、日本語作品として最高の興行成績を収めた東宝のアニメ映画『鬼滅の刃』の続編が、2025年7月に日本国内で公開予定となっている。これに先立ち、5月には前作のリバイバル上映も行われる見通しだ。
東宝シネマズの代表取締役社長・池田孝之氏は、「我々は現在、多くの日本映画やアニメ作品をIMAXフォーマットで製作・公開しています。この究極の映像体験をより多くの観客に届けることを長年目指してきました。今回の6劇場の導入契約締結は、その一歩となります。特に、東宝シネマズ日比谷に世界でも稀な2つのIMAXシアターを設置できることは大きな誇りです」とコメントしている。