老後のために貯金はいくら必要?平均貯金額と老後の出費を紹介

幸せで豊かな老後を過ごしたい。漠然とそう願っている人が多いでしょう。

特に準備などしなくとも、まじめに働いていれば豊かな老後が過ごせる、と思っている人も多いでしょう。

しかしながら、数年前、老後破産という言葉が注目されました。現役世代のうちに十分な貯蓄をしなかったために、収入が落ちる60代以降、公的年金だけでは生活ができなくなってしまうことをいいます。

そうならない為には、やはり現役世代のうちにしっかり準備をしておく必要があります。

目安として、世間ではどのくらい貯蓄をしているのか、また実際老後にはどのくらいの貯蓄があればいいのかを紹介していきます。

老後の貯蓄額の平均と中央値

データを紹介する前に、そもそも老後とは何歳からのことをいうのでしょうか。

この記事における老後のスタート年齢と、老後の期間を明記しておきます。

老後っていつからいつまで?

経済的な側面からみて、公的年金や退職金以外に準備した資金を生活費として使い始める時期の年齢分布を見ると、平均は65.1歳でした。(生命保険文化センター「生活保障に関する調査」より。)

また、平均寿命は年々上がっており、2060年には女性は90歳を超えるといわれています。

上記のデータより、老後のスタートは65歳、老後の期間は25年、を基準として今後の記事をすすめていきます。

老後のための平均貯蓄額と中央値

平均貯蓄額を知る前に、いったいどれくらいの人がきちんと老後に備えているのでしょうか。
内閣府の「高齢者の経済、生活環境に関する調査結果」を参照すると、下記の確率でまったく貯蓄できていない世帯がいることがわかりました。

貯蓄ゼロ世帯

全体 22.7%

独身男性 37.5%

独身女性 30.6%

多くの世帯が老後破産や、自分の子供や孫の世話になる可能性が高いといえます。

それでは貯蓄している世帯の平均値と中央値(※)を、金融広報委員会の「知るぽると」が調査したデータを元に紹介します。

※中央値とは、数値の低い順に並べて真ん中にくる数値のことで、極端な富裕層の影響が少ない為、平均値より現実的といわれている値です。

60代の夫婦世帯の平均貯蓄額と中央値

平均 2,202万円

中央値 1,500万円

60代の独身世帯の平均貯蓄額と中央値

平均 2,642万円

中央値 1,323万円

以上が老後のための平均貯蓄額と中央値でした。これらの貯蓄額とは、預金だけでなく、株式などの有価証券も含んだ数値です。

老後の必要貯蓄額は??

それでは、次に老後の貯蓄はどのくらいあれば大丈夫なのかを算出していきましょう。

老後の必要資金を算出するには、収入と支出を把握する必要があります。

老後の支出には、生活費に加えて、介護費用と葬式費用も含めなくてはいけません。

下記のデータを使用して算出していきます。

老後の一か月あたりの収入

老後の無職世帯の収入といえば公的年金です。払っていた年金によって大きく金額は違うと思いますが、平均データをご紹介します。

夫婦世帯 21.3万円 

独身世帯 12万円 

老後の生活費

老後の生活費の内訳は、食費、住居費、水道光熱費、日用品費、被服費、医療費、交通・通信費、教養・娯楽費、非消費支出(税金や社会保険料)のことです。

夫婦世帯 26.7万円

独身世帯 15.6万円

※収入・支出共に総務省統計局の家計調査年報より、夫婦世帯は夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯のデータ、独身世帯は60歳以上の単身世帯のデータ参照

介護費用

一人当たり 466万円

※生命保険文化センターの生命保険に関する全国実態調査参照

葬式費用

一人当たり 196万円

※日本消費者協会の葬儀に関するアンケート参照

以上のデータを元に、夫婦世帯、独身世帯の老後の必要貯蓄額を算出していきます。

夫婦世帯の老後の必要貯蓄額は2,944万円

最初に述べました通り、老後生活の開始年齢を65歳、老後生活期間は25年間とします。

収入21.3万円-生活支出26.7万円で、毎月5.4万円の赤字です。つまり年間では64.8万円の赤字ということになります。

【年間赤字64.8万円×25年間】+【介護費用466万円×2人】+【葬式費用196万円×2人】=2,944万円

となります。

独身世帯の老後の必要額は1,742万円

収入12万円-生活費15.6万円で、毎月3.6万円の赤字です。つまり年間では43.2万円の赤字ということになります。

【年間赤字43.2万円×25年間】+【介護費用466万円】+【葬式費用196万円】=1,742万円

となります。

貯蓄額の中央値との差

上記の老後資金の不足金額に対し、60代の貯蓄中央値を比べてみましょう。

60代夫婦世帯の貯蓄額中央値1,500万円に対し、必要額は2,944万円で、1,444万円の不足。

60代独身世帯の貯蓄額中央値1,323万円に対し、必要額は1,742万円で、419万円の不足。

以上の結果から、夫婦世帯、独身世帯共にかなりの金額が不足していることがわかります。

まとめ

老後の貯蓄を世間がどのくらいしているのか、また、どのくらいあれば安心して老後を過ごせるのかを、夫婦世帯、独身世帯別に紹介してきました。

年金の種類や退職の年齢、老後の期間によって大きく数字は変わってくると思います。

まずは自分の老後生活にどれだけの貯金が必要なのか、細かくシミュレーションしてみる必要があるでしょう。

その上でしっかりと対策することで、不安を解消し、現役である今を楽しく生きることができると思います。

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